中小企業診断士と一緒に、ほかの資格も目指すなら?
ほかの資格を持っていると、1次試験の7科目のうち、経済学・経済政策、財務・会計、経営法務、経営情報システムの4科目が、申請により免除されます。対象は、公認会計士・税理士・弁護士・不動産鑑定士・情報処理技術者試験の合格者などで、日商簿記の合格は対象に含まれていません。2次試験には、ほかの資格による免除はありません。
まず、結論
ほかの資格で、1次試験のどの科目が免除される?
経済学・経済政策、財務・会計、経営法務、経営情報システムの4科目です。 企業経営理論、運営管理、中小企業経営・中小企業政策の3科目は、ほかの資格では免除されません。2次試験(事例I〜IV)にも、ほかの資格による免除はありません。
どの資格で、どの科目が免除される?
公認会計士・税理士は財務・会計、弁護士は財務・会計と経営法務が免除されます。 不動産鑑定士と経済学博士は、経済学・経済政策が免除されます。 応用情報技術者試験などの情報処理技術者試験の合格者と、技術士(情報工学部門)は、経営情報システムが免除されます。
日商簿記の合格で、財務・会計は免除される?
免除されません。免除の対象となる資格に、日商簿記は含まれていません。 ただし、財務・会計の出題範囲には簿記の基礎・原価計算・経営分析が入っていて、2次試験の事例IVも財務・会計を中心とした事例です。
行政書士試験・社労士試験とは、どこが重なる?
行政書士試験とは民法、社労士試験とは労働基準法・労働安全衛生法などの労働関連法規が重なります。 1次試験の経営法務で民法が、企業経営理論で労働関連法規が出題されます。ただし、どちらの試験の合格でも、1次試験の科目は免除されません。
免除した科目は、何点として数える?
点数には数えず、合否の判定から外します。 免除した年は、受験した科目だけで、総点数の60%以上で、かつ満点の40%未満の科目がないことを基準に合否を決めます。
ほかの資格で免除される科目
1次試験の科目を免除できる資格は、科目ごとに決まっています。免除される科目と、その対象となる人は次のとおりです。
経済学・経済政策が免除されるのは、次の人です。 大学などで経済学の教授・准教授・旧助教授を通算3年以上務めた人 経済学博士 公認会計士試験(旧公認会計士試験の第2次試験を含む)で、経済学を受験して合格した人 不動産鑑定士、不動産鑑定士試験の合格者、不動産鑑定士補、旧不動産鑑定士試験の第2次試験の合格者
財務・会計が免除されるのは、次の人です。 公認会計士、公認会計士試験の合格者、会計士補、会計士補となる資格がある人 税理士、税理士試験の合格者、税理士試験の免除者 弁護士、弁護士となる資格がある人
経営法務が免除されるのは、次の人です。 弁護士、司法試験の合格者、旧司法試験の第2次試験の合格者
経営情報システムが免除されるのは、次の人です。 技術士(情報工学部門の登録者に限る)、情報工学部門の技術士となる資格がある人 情報処理技術者試験の次の区分の合格者(ITストラテジスト、システムアーキテクト、応用情報技術者、システムアナリスト、アプリケーションエンジニア、システム監査、プロジェクトマネージャ、ソフトウェア開発、第1種、情報処理システム監査、特種)
このように、弁護士は財務・会計と経営法務の2科目が免除されます。一方で、司法試験に合格しただけでは経営法務だけが免除され、財務・会計の免除には司法修習を終えたことの証明が要ります。 また、一覧にない資格(弁理士、日商簿記、基本情報技術者試験など)では、科目は免除されません。 出典:日本中小企業診断士協会連合会「令和8年度中小企業診断士第1次試験案内」
免除の申請のしかた
免除は、毎年の受験の申込みのときに、Web申込システムで申請します。まず、免除される事由を選び、次に資格を証明する書類(登録証明書・合格証書など)の画像をアップロードします。画像は3,000KB以内で、拡張子はjpg・jpeg・pdfに限られます。 事由を選ぶだけでは、免除になりません。また、書類の郵送・持参は受け付けられず、申込受付期間が過ぎると、後から申請することもできません。 Web申込システムに入力した氏名と書類の氏名が違うと、免除は認められません。結婚などで氏名が変わった人は、書類の再発行を受けるか、戸籍抄本を郵送しましょう。 免除が認められたかどうかは、受験票・写真票で確認します。なお、免除が認められた科目は受験できず、その科目の試験時間は試験室に入れません。受験手数料(令和8年度は17,200円)は、免除の有無にかかわらず同じです。 出典:日本中小企業診断士協会連合会「令和8年度中小企業診断士第1次試験案内」
免除した年の合格基準
免除した科目は、合否の判定の対象から外れます。免除した科目を60点や100点とみなすことはなく、受験した科目だけで合格基準を当てはめます。 例えば、2科目を免除して5科目を受験した年は、5科目の総点数(500点)の60%以上で、かつ満点の40%未満の科目がないことが基準です。この基準に届かなくても、満点の60%を基準とした点に届いた科目は科目合格になります。 ほかの資格による免除は、科目合格による免除と組み合わせることもできます。科目合格のしくみは、1次試験の科目合格とは?で説明しています。 出典:日本中小企業診断士協会連合会「試験に関するよくある質問(FAQ)」
簿記と中小企業診断士
日商簿記に合格しても、1次試験の財務・会計は免除されません。ただし、簿記の知識は、1次試験と2次試験の両方で使います。 1次試験の財務・会計では、簿記の基礎(決算処理・貸借対照表と損益計算書の作成など)、企業会計、原価計算、経営分析、資金調達などが出題されます。 2次試験の事例IVは、「財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」です。 日商簿記の講座・本は、簿記ライブラリで比較できます。 出典:日本中小企業診断士協会連合会「令和8年度中小企業診断士第2次試験案内」
行政書士試験との重なり
1次試験の経営法務では、企業活動に関する法律知識として、民法(物権・債権・相続)と会社法が出題されます。 行政書士試験は、憲法・行政法・民法・商法・基礎法学と、行政書士の業務に関し必要な基礎知識から出題されます。そのため、民法は、中小企業診断士試験と行政書士試験の両方で出題されます。 行政書士試験に受験資格(試験を受けるための条件)はなく、試験は毎年1回、11月の第2日曜日です。ただし、行政書士試験に合格しても、1次試験の経営法務は免除されません。 出典:行政書士試験研究センター「試験概要」
社労士試験との重なり
1次試験の企業経営理論では、人的資源管理として、労働関連法規(労働基準法・労働契約法・労働安全衛生法・労働組合法・労働者派遣法、労働保険・社会保険など)が出題されます。 社労士(社会保険労務士)試験は、労働基準法及び労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労務管理その他の労働に関する一般常識、社会保険に関する一般常識、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法の8科目です。そのため、労働基準法と労働安全衛生法は、両方の試験で出題されます。 ただし、社労士試験に合格しても、1次試験の科目は免除されません。 出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト「試験の概要」
